名駅三丁目飲み屋街ビルがコロナ禍で延期になってしまい、改めてビルのテナントリーシングを含めて提案したプロジェクト。
「Artisan Le 3ème de Meieki」は、既存の施設との差別化を図り、「Artisan(職人・工房)」をテーマに掲げることで、こだわりの「食」や「商品」、「サービス」を提供する施設を目指している。
施設全体のデザインには、ヨーロッパのアトリエを想起させるアーチ状の開口部が採用されている。この特徴的なデザインは、建物を遠くからでも商業施設として認識させ、訪れる人々に期待感を抱かせる効果を持つ。内部には、2階分の高さを持つスケールの大きなアーチを通るアプローチが設けられ、外観から内部まで統一されたアーチ形状が象徴的な印象を形成している。
テナント構成は「Artisan」というコンセプトを基軸とし、雑多な印象を排除することで、特に女性が安心して利用できる空間を提供する。1階と2階にはアクセスしやすいブランジュリーカフェやワインバーが配置され、回転率の高い用途を想定している。中間階では、パティスリーやショコラティエ、ステーショナリーなど、ゆったりとしたショッピング体験を提供する店舗が展開される。最上階には鉄板ビストロを配置し、高い客単価を想定した用途が計画されている。
1F Boulangerie Café
2F Charcuterie+Dégustation+Bar à vin+Fromagerie+Caviste シ
3F Pâtisserie+Chocolatier
4F Accessoires+Vaissellerie
5F Papeterie
6F Cosmétologie
7F Plancha Bistro
エントランスホールの天井には、アーチを押し出して形成されたヴォールト形状のデザインが採用されている。このデザインにより、道路からホール空間への一体感が生まれると同時に、訪れる人々を包み込み、その先に広がる各テナントへの期待感を高める役割を担っている。
この施設は、ただの商業空間に留まらず、名古屋駅周辺に新たな魅力と活気をもたらす象徴的な存在となることを目指している。
- 敷地:愛知県名古屋市
- 用途:飲食テナントビル
- 敷地面積:294.64㎡