PROJECTS

「EQUiA越谷」北口店舗

  • COMMERCIAL

2023.12

埼玉県越谷市

東武スカイツリーライン越谷駅

高架下商業施設「EQUiA越谷」北口店舗

人々が忙しく通過する駅の自由通路に面する駅商業施設のリニューアル計画。

既存の商業施設施設は機能的だが無機的で冷たい佇まいだったため、各テナントのカラフルなサインで商業的なアピールをするしかなかった。けばけばしいサインの寄せ集めは典型的な郊外の幹線道路に建ち並ぶ店舗の景色が再現されており、駅を通過する人々も足早に通過するだけで、自分とかかわりのない店舗にはあまり立ち寄らない。今回のリニューアルでは、ぬくもりのある有機的な素材を使い、「立ち寄りたくなる場所」を作ることを試みた。

昔ながらの街道に面した宿場町では、通過するだけでなく、とどまってもらうために、軒先を出して、人々を迎え入れた。日光街道の越谷宿を現代の街道の宿場町である、鉄道の駅、越谷駅に再現する。

人々を迎え入れるために、自由通路、駅前のファサードに対して、軒裏空間を作った。この軒裏空間は少し高さを抑えてヒューマンスケールとして、仕上げは木材としてぬくもりを与えた。そうすることで、この空間は、通過する場所から、「とどまる」「立ち寄る」「集う」「かかわる」ことができる場所となった。

インモールの北口店舗はもともと真っすぐに駐輪場に抜ける通過動線動線だったため、人々は面した店舗を素通りしていた。リニューアルしたインモールでは、小径がクランクして曲がり角を作るようにして、人々が素通りしないで、それぞれの店舗にふれあいながら進んでいく、曲がり角の小径空間としている。

軒裏に使用されている木材は、環境保全だけでなく、行き交う人々の心理面にも効果がある。杉材などの針葉樹から揮発した香りは人々のストレスを抑制する。また、木材の持つ色相や明度は視覚的にも心地よさを与える効果があり、木材率があがると、「なごみ」「あたたかみ」を感じやすくなる。

軒裏に使用されている木材は、温室効果ガスであるCO2を吸収して貯蔵できるため、長期間にわたってCO2を維持することにつながり、街にもうひとつ「森をつくる」のと同じ効果がある。木材の利用促進は森林の健全な保全促進につながり、樹木を成長させ、大気中のCO2をさらに吸収していく。

  • 敷地:埼玉県越谷市
  • 用途:商業施設(食料品販売店舗等)
  • 延床面積:2033㎡
  • 環境デザイン:KEY OPERATION INC.
  • 設計会社:株式会社オー・エヌ・オー⼤野設計
  • 施工:東武谷内田建設

RECOMMEND POSTS

ストリング・ビーチハウス

2007.06

ウォーターハウス

1999.10

森の墓園「語らいの小径」五色台メモリアルパーク樹木葬墓所

2021.03