こちらはDavid Chipperfield Architectsの設計による猪名川霊園管理棟を機能的にサポートする建物です。霊園にお越しになる来園者が全く立ち寄らないにも関わらず、霊園の入口となる場所に位置するため、お客様の目に最初に触れる建物となります。 全ての来園者が車でお越しになるため、刹那な関わりの中で来園者の「お墓参り」という体験に寄与出来る建物を提案したいと考えました。
霊園に着いたときの感動は、管理棟で初めて味わうことができるように、霊園に来る際に見える倉庫棟は周辺の民家と似た勾配屋根、焼杉の外壁とし、目立たないようにしています。
霊園からの帰りは行きとはまったく異なる姿の建物が現れます。霊園での体験の最後に位置するものとして、霊園と俗界の結界を区画する鳥居のようなイメージとなるように建物の外壁は赤いベンガラで仕上げ、霊園での印象的な体験を胸に結界を通って日常生活への帰路についていただければと考えました。
- 敷地:兵庫県猪名川町
- 用途:倉庫
- 竣工:2015.10
- 設計:KOP, アトリエ・フィッシュ
- 施工:一吉工業
- 写真:市川靖史
- 敷地面積:291.87 ㎡
- 建築面積:118.56 ㎡
- 延床面積:95.32 ㎡