2021年に計画した豊田市の南山やすらぎ霊園の樹木葬墓所。
一般墓でそもそも売れなかった区画や返還墓所が増えてきたため、樹木葬墓所に変えていくことを計画しました。虫食い状の空き区間に対応できるように、島状の緑地をアメーバのように増やしていく計画としました。五色台メモリアルパークや猪名川霊園の樹木葬墓所で提案している「自然に還るお墓」ではカロートを設置せず、粉骨した遺骨を麻布に入れて、地中に直に埋葬します。遺骨は土の中の微生物によって生分解されて土に変わり、周りの樹木の養分として吸収されて「自然に還る」ことができます。墓標として植えられた地上の樹木は、花を咲かせ葉を落とし、また花を咲かせと繰り返しながら成長していき、埋葬された人々の魂もその自然のサイクルと共生します。
この「自然に還るお墓」は家族単位ではなく、個人単位で求めることができ、子どものいない夫婦や生涯独身の人、子どもがいても「死後の墓の世話をかけたくない」という人たちの選択肢となります。埋骨後、樹木に吸収され自然に還ってあとは(32年後)、この森に次の世代の魂を受け入れて、森の成長に必要な新たな養分を供給し、サステナブルな自然のサイクルを守り続けます。
- 敷地:愛知県豊田市
- 用途:墓地