現在、雷門前の交差点は、車道によって分断されているため、門前広場としてのまとまりを感じることが難しく、仲見世から出てくる人びとを受け入れるスペースがありません。この計画は、建物のファサード全体を、そうした人びとが賑やかに行き交う幾層ものリズミカルな「太鼓橋」と見立て、そこから新タワーや上野の森、眼下の浅草寺の賑わいを見ながら、各種観光情報へのアクセスを可能にするものです。浅草という土地に潜在する人びとの自由なエネルギーを吸い上げ、立体的に街に対面させることによって、門前の広場の一体感を強め、街の賑わいをいっそう華やかなものにすることができます。スパイラル状に上昇する橋は、暖められた空気を上層まで運ぶエア・チャンバーの役割も果たしています。
- 敷地:東京都台東区
- 用途:専用住宅
- 設計:2008.10
- 共同設計:繁昌朗