荏原町商店街に面する奥行きのある敷地の計画。この近辺には路地裏が多く、既存建物にも商店街から入り込んだ路地裏があり、昔ながらの飲食店舗やスナックが軒を並べていた。この奥行きのある敷地で、いかに奥にある店舗まで人の流れを引っ張ってくるかをテーマとして設計に取り組んだ。
間口10mのファサードに、幅2.7m、2層吹き抜けの路地のような空間を通りに対して45度角度を振って奥まで通した。
通常は通りに面するファサード面を強調するが、この建物では表に出るファサード面はあえて強く表現せず、むしろ奥に続く路地に取り込み、路地の内側を門型に木材で仕上げて、路地空間を際立たせながら、味わいのある雰囲気を醸し出している。路地空間の、狭さ故の囲われ感、 安心感、建物に遮られ限られた視界で見るその道の先にはどのような風景が広がっているのかの期待感が、この商業施設に人の流れを引き込み、賑わいを創出する。
- 敷地:東京都品川区
- 用途:複合用途
- 敷地面積:392.82㎡
- 建築面積:306.26㎡
- 建築延床面積:1084.07㎡